コピックのすすめ

コピック絵描き・ゆうす湖のコピックのあれこれ情報ブログ

自分を大事に(活動休止について)

皆さんお久しぶりです。ここ一年ほど、コロナウイルスSars-Cov-2)の感染拡大で、なかなか思うように好きなことができない世の中になってしまいましたが、健康でお過ごしでしょうか。

 

前回の最終更新が2019年の9月ごろですので、2年近くは休眠していたことになるのですけど、いろいろあったというかなかったというか。ほぼ放置にもかかわらず、多くの人がわずかながらの記事を見に来ていただいていたということで、多少なり役に立てるところがあったのかなと、ひそかに喜んでおります。

 

今回、この記事は描く知識とは全く関係なく、かつ絵描きを「ただただ楽しむだけのもの、趣味」で考えられる人は読む必要の全くない記事、エッセイとなっております。そういうわけでそうでない方、暇な人以外は今すぐ回れ右してお帰りください。

 

 

実を言いますと、気持ちとしては2020年の開始前後から、実体としては2020年の10月から、正式に発表したのは2021年の初めごろから、絵描きの活動を休止しておりました。

 

理由としては、描きたい気持ちと自分の「こうあるべき」と思う状態とのズレが激しくなってしまい、描くことに対して全く気持ちが起きなくなってしまったためです。

 

自分を会社にたとえるなら、自分の中のプロデュース部門の担当が、制作部門に対して経営的側面からあれこれ言いすぎて、嫌気がさした制作部門が解散してしまった、みたいな状態だと思います。

 

展示だとかイベントだとかが主な活動だったので、自分の創作物を人前に出すわけですから、「面白いと思ってもらえるものを出さないといけないな」っていうプロデュース的視点と、「自分だったらこう描いたら面白いな」っていう創作視点のズレは数年前から感じていました。

 

そのズレは、自分とは実力がかなり上の人たちとひょんなことから知り合いになった時期くらいに始まり、すごい自分の心のエネルギーを奪って行ってまして、言語化はできてなかったんですけど「理由はわからないけどなんだか苦しいし、もう数年以内に描くの止まりそうだな」っていう予感が年々強まり、2020年の年を跨ぐか跨がないかくらいに「プツッ・・・」と何かが切れたような感覚に襲われ、それ以降はほんとにシャーペンもコピックも持つのが嫌になり、ぱったりと創作を止めていました。厳密には一度展示はしていますが、普段の絵とは全然モチーフの違うものでした。

 

人前に出すと「手に取ってもらえるかどうか」っていう結果が出てしまうので、どうしてもプロデュース的視点の「違うもの考えないとダメなんじゃないの?」っていう発言権が強くなってしまい、「でもこれが好き、こう描きたい」っていう押し返しできず萎縮してしまったように思います。創作視点が優位に立てるような経験をちゃんと積んであげられなかったのが今回の失敗かなと考えがまとまっています。

 

自分の得意なことでちゃんと立ちたい気持ちが強かったせいなのかなと思いますし、他に週5日でやってる仕事があって、その余った時間で取り組んでたのが創作で、なんとか時間やりくりして、どうしても作業する手が遅いのと、わからないことがあると資料に当たって調べて納得してからでないと次に進めないっていう形で、毎回毎回、一枚一枚にすごく力が入り込んでしまい、なんとかやってることが何かにつながってほしいっていう気持ちですごく焦っていた部分があって、ついには「お前の絵じゃだめだよ」っていう自分による責めに負けて「自分のじゃだめなのか」っていう穴にすっぽりはまり込んで抜け出せなくなって、、、負のスパイラルですよね。

 

良くツイッターなどで「絵に評価を求めるな」という意見が沸き起こっては消えてを繰り返しておりますが、僕の意見としては「絵に評価は必要」です。

 

自分の状態で考えると、自分の中の絵描き部分を、別の自分が叩き潰していたので、どうしても外的に絵描き部分に対して何か得られるエネルギーが無いと叩き潰しを押し返せなかったからです。

 

一般的に考えたら、もちろん外的な評価それだけのために描いてはいけないとは思いますけど、楽しむ以上のもの、描いて仕事をしようとか、自分の絵を手に取ってもらおうとするなら、人が喜ぶもの、つまり「人の評価」を得られるものが描けるかどうかが一つ指標にはなると思うし、それが得られるなら描こうっていう気持ちの燃料になるし、いいスパイラルが作られて創作も続いて行くんだろうなと思います。(ここは自分が楽しむだけでやっていた人や、自分の創作を容赦なく批評する自分がいない人には当てはまらない部分かと思います)

 

中には「自分が楽しむためだけにやってる創作」で人の評価が得られてしまうパターンの人が居て、そういう人が言う「人の評価は気にするな、求めるな」と言えば「なるほどそうか」となってしまいそうなんですが、それはそれでうまくいってしまった人のパターンなのかなという保留付きで考えておいた方がいいのかなと感じます。

 

基本的には「自分が創作を楽しむ」気持ちをちゃんと育ててあげるのが一番いいと思いますし、まず自分のために創作するのを優先してあげてほしいと思います。自分を批評する自分がいるのも良いですが、いい方向に回る程度を越すと続かなくなっちゃいますから。

 

言葉にして説明すると、こういう状態になってしまったんだろうと、ある程度まとまったので、ブログに挙げておけば、他の方の参考になる部分もあるかなと思い、一応記事というより散文的にまとめました。

 

自分のスタイルがアナログであり、一時創作でもあり、門戸が狭くて外的な評価を得づらいジャンルを選んでしまっているので、出版社や広告など、どう営業かけていいものかもわからない、かといって自分の絵だけでもどうにもならない、そういう行き詰りに突き当たっていまだに抜け出せないままです。「休止」と言いつついつ再開かもわからないので、ブログに関しては気持ちに余裕があってお役立ちしそうな記事が書けたら、またアップしようかと思います。

 

休止したことに対して友人に「(気持ち的に)さっぱりしている」とには言ったものの、数年かけて続けて育てたものを自分でおじゃんにしてしまった感じのショックはどうしても大きいものがありました。

 

またコロナ感染拡大もあって、絵以外に好きな山登りにもなかなか思うように行けずに気分転換もままならないということで、一年以上近く、鬱々とした気分が晴れない状態です。

 

他の人には絶対こんな風になってほしくないので、楽しんで描けている人は、是非そのまま楽しんで描いてほしいです。絵を描けるっていうのはほんとにすごいことなのです。大事に育ててあげてほしいです。

 

なにとぞ、「自分」を大事に。

 

ゆうす湖♨

 

 

 

 

個展『The Footprints vol.5』告知と私のコピックの褪色対策・考え方

お久しぶりです。ゆうす湖♨️です。

 

この一、二カ月コミックマーケットの準備やらなんやらバタバタしてまして、全然記事が更新できなく申し訳ないなというきもちです。

 

特に何か記事をアップできているわけではなかったのに、ブログを見にきてこうれていた人がいたこと、感謝します。

 

 

 

 

展示の告知

バタバタしていた理由の一つなのですが、じつは私、今月の9/2(月)から9/29(日)の間で、ジュンク堂書店三宮店さん(三宮センター街)にて、コピックイラストの展示販売をさせていただいています。

 

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場所はセンター街側からエスカレーターを上がって、二階の南側の非常扉前の壁面書棚です。

 

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店舗入り口・センター街のエスカレーター
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これを上がって
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正面の検索機を見ながら右に曲がる
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こちら。

 

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コピックのあれこれをお伝えしたいブログで、個人的な作品の展示の告知は控えておこうかと思ったのですが、自分でも人の描いた作品を見て刺激になったりすることもあったなと思い直し、ブログにも告知を書いておくことにしました。

 

アナログイラストは描いたそのものがあるっていう、デジタルには無い強みがあって、パソコンのディスプレイでは伝わらない、原画を見ないとわからないって言う部分があります。

 

そういうのが好きでずっと画材で描いているのですけど、自分のもそういう機会の一つになってもらえたらと思います。

 

追記 : 今日グッズをやっと出し切りまして、展示してる最新イラストまで収録した冊子と、クリアファイル追加してます。冊子は、なるべく原寸に近いように収録したので、細かいところも見ていただけます。

 

 

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コピックの展示の対策

で、せっかくのブログなので、有益になるかわかりませんが、私がしているコピックイラストの展示における褪色・退色対策を書いておきます。

 

コピックは紫外線に当たると褪色しやすく何もしないで出しっ放しにしておくと変化してしまう色があります(注:全ての色で起きるわけではありません)

なので、展示に出す場合はそうならないように対策するのですが、主に、額・パネルに工夫をします。

 

 

展示の際に私がイラストを入れている額は、A4以上のサイズのものには、

 

大額の『かる!フレーム(https://www.amazon.co.jp/dp/B001U3GT0Q/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_R.iDDbAD94XE3)』

を使用、もしくは併用しています。

製品の特徴として、紫外線を90%カットできるそうです。

 

額の色は白か黒かシルバーです。

 

派生商品として

かる!ウッド (https://item.rakuten.co.jp/gakubuti/10001072/   https://www.amazon.co.jp/dp/B003PE5MB0/ref=cm_sw_r_sms_tai_KqlDDbWS9GHST )』という木製の枠のものもあります。

 

 

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このかるフレームの紫外線カットのシートはすごく薄いので、他の額を買って来て、ガラスパネルの内側に挟んでしのばせることができます (併用と言ったのはそういうことです。かるフレームはラインナップの色が少ないので、お気に入りの額を見つけて来て、パネルだけ入れて併用できるのです)。あとペラペラなので、枠を使わないつもりなら切り取って小さいパネルに入れることも可能です。

 

ガラスは全く紫外線を防げませんが、uvカットを謳っているものや、アクリルのパネルは多少なり防げるようです。

 

 

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こちらのイラストには、アクリル純度99%と言われる『Face Five Frame(https://www.amazon.co.jp/dp/B001AQ09V8/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_6IgDDbESMEM1E)』

を使用しました。

今回初めて導入したので、どのくらい防御できるものなのかまだ未知数です。

 

また、既存の額(ガラスのもの)に、アクリルのシートを買って入れ替えるのも有効です。私がよく行くカワチ画材点でも、普通のアクリルのシートA4なら1000円もしないで買うことができます(2019/9現在)

 

私に限って言えば、毎回展示は直射日光が当たらない室内で行いますが、可能な限りはこのような紫外線を防ぐ対策をして展示をします。

 

また、原画は販売も行っているので、買ってもらった方にコピックの特性と飾る際の注意点」を書いた紙をセットしています。

 

参考までに、自分がイラストにつけている説明書きはこちらです。

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コピックの褪色実験

 

簡易でかるフレームを用いたコピックの褪色実験を行った写真があるので、一応伏しておきます。

 

今年の5/29にマルマンスケッチブックに、BV系統の全色を塗り、①〜③までの番号をふります。

①日の当たらない引き出しの中

②かるフレームに入れる

③直射日光にそのまま当てる

 

という具合です。

 

これをおよそ一週間やりました。

 

紙の日付の通り、色つけは2019/5/28、その日の夜に東向きの窓に外向きに向かって置き実験開始です。

 

5/29

f:id:yousko:20190908134426j:image②③ 上半分はフレームに挟んだだけ、下半分はUVカットのシートの下に入れています。

(すいません、引き出しの中の分の写真は撮り損ねていました)

 

5/30
f:id:yousko:20190908134419j:image②③
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5/31
f:id:yousko:20190908134435j:image②③
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6/1
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6/2
f:id:yousko:20190908134448j:image②③
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6/3
f:id:yousko:20190908134444j:image②③
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6/4
f:id:yousko:20190908134438j:image②③
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申し訳ないのは、「実験開始前の3枚の様子」と、「2日目の①の写真」を失念していたことです。

比較がやや成り立たないので、あくまで参考程度と思ってください。

 

それでも数字の若い前半の色は2〜3日であっという間に色が変わったのに対し、数字後半の色は日数を重ねても変化していない色もあります。

引き出しに入れていたのはほとんど変化が見られないので、5/30の①とそれぞれを比較していってもらうと、どのくらい色変化が出たのかわかりやすいと思います。

 

 

太陽の光というのは結構強いので、参考にならない部分が多い極端なものなのですが、室内であっても影響は受けてしまい、UVカットを謳ったパネルでも100%褪色を防げるものではありません。しないよりはマシというレベルですが、しておいたほうがいいでしょう。

 

カワチ画材さんでコピックのサンプルイラストを一ヶ月ほど出してもらっているのを見ても、室内であるのに色の変化はおきます。

 

蛍光灯は紫外線を発しているので、やはり影響を受けてしまうのです。

 

僕がコピックイラストのみの展示を初めて行ったのは三宮センター街のガラス張りの市民ギャラリーだったのですが、かるフレームに入れていたのにもかかわらず一週間で色落ちしてしまいました。

 

この実験に関しては柚水流亜さんと言う方が僕よりも詳しく深く書かれた記事があるので、そちらを付しておきます。多分僕が時間をかけてもここまで詳しく書けないでしょう

 

コピックの退色(色あせ)は防げるか?UVカットアクリル板・ガラス板の退色実験で最適な保護方法を調査してみた https://yuminarua.com/2019/06/17/copic-fadingcolor/ @yuminaruaより」

 

 

イラストを展示する機会が多い経験上、この対策でもやはり色褪せは起きるので、コピックイラストに関しては展示は若干不向きな部分がありますが、僕はそれでも好きな画材であるコピックを使ったイラストを描き続け、展示するでしょうし、そうするつもりです。

 

 

コピックにおける褪色の考え方

あくまで褪色することの捉え方であって、褪色を防ぐ方法ではありません。

 

褪色をポジティブに捉える、というものです。

 

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この絵は2015年に描いたもので、僕のお気に入りです。展示でも毎回出したりするぐらいなので、やはり色も落ちました。

スキャンしてネットにアップするように色を調整していますが、ほぼ描いた当時の色です。

 

現在の色がどうなっているかというと、写メしてみます。

 

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並べてみると。。。

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スキャン加工と写メで、多少の誤差があることは考慮に入れて、今は2019年ですが、4年のうち年二回、2週間から1ヶ月間の展示でこのように色が変化しました。

特にジーパン。これを描く前の時点で薄い色が褪色しやすいと知識が付いていた頃で、どうせ色落ちするならと考えて描いたのがこの一枚でした。

 

ジーパンは、穿けば穿くほど色落ちして味が出てくるズボン何ですが、コピックなら同じことを起こせるのです。

 

つまり

 

展示すればするほど味のあるジーパンがリアルタイムで表現できる

 

ということです。

 

このイラストは、犬連れて歩いて旅してる少年のイラストだったので、ジーパンの色が落ちても全く自然でした。コピックの弱点を逆に活かしたのです。

 

 

色が褪色するというのは、裏を返せば色が変化するということができます。

 

褪色するというのはコピックの弱点として捉えられがちですが、こう考えると新たな表現を作り出すことができます。

 

コピックイラストを展示することに後ろ向きなってしまっているひと、すごく勿体無いです。

 

ぜひ機会あれば展示に出して、人の目に触れさせてみてください。描いた本人も含め、作品と、コピックの表現に新たな一面を発見できると思います。

 

 

最後に

 

人に見てもらうための絵を描いていた経験上、「イラストは人に見てもらって初めて完成」と考えていまして、特にアナログイラストは一点ものとして展示できるって言う、デジタルイラストには無い強みがあります。

 

例えば自然に咲いている花が、時が経てば枯れてしまうように、コピックの色が描いてすぐが一番綺麗で時が経てば落ちてしまうのであれば、一番綺麗な時に人に見てもらうのが一番いい、とも言えます。

 

もちろん展示していない間は日の当たらない暗所や、ファイリングして直しておく必要があるのは間違いありません。

 

色落ちする弱点も捉え直して、機会があれば思い切って展示してみてください。

 

UVカット性能のあるパネル、アクリルのパネルを使う

・色落ちする弱点をポジティブに捉え直す

 

展示するうえで、僕から言えるアドバイスはこの二つです。

 

 

お読みいただきありがとうございました😊

コピック・インク補充やお手入れ、メンテナンスのあれこれ話

 

コピックは実は使い捨てではありません。

 

メンテナンスすると何度でも、いつまでも使える、とてもエコな画材なのです。

 

今回は、簡単にできるメンテナンスあれこれを解説させていただきます。

 

 

 

 

 

インクの補充

 

コピックのインクは、なんと! 補充できます。(盛り上げないといけない気がしまして、大げさな言い方ですいません)

 

 

補充のためにはインクが切れたコピックと同じ番号の別売インク、その名もバリオスインクを買ってくる必要があります。

 

こう言う奴です。

 

一本のお値段は380円(税別)で25cc入っております。

 

補充できる回数は、チャオ・スケッチ・クラシック・ワイド(このブログでは未紹介、とても幅広いブロードニブのタイプです)どれに補充するかで変わってきますが、公式サイトに記載ありますので、その記載部分のスクショとリンクを貼っておきますね。

 

コピック(公式サイト) 

https://copic.jp/product/variousink/

 

 

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これを買ってこれば、描けなくなったコピックにインクを補充できて、また使えるようになるのです。

 

ではやり方の解説させていただきます。

 

 公式なやり方は、写真のように、バリオスインクの先をブロードニブの先にくっつけて、ちょっとずつちょっとずつ染み込ませるように入れていくというものです。

 

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正直このやり方だと、どのくらいの量が入ったかわかりづらいんですが、

 

入れる前に、入れたい量のあたりに爪を当てておいて、どのくらい入ったか確認しつつ入れると入れすぎにはならないでしょう。爪の代わりに輪ゴム巻いておくとかも有効です。

1メモリは1㏄(1ml)です。

 

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拡大しまして、こうやってメモリのすぐ下を爪で押さえます。入れるたびにちらちらとラインを確認して、押さえた部分に水位が来れば「必要分入った」となります。

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これではちょっとずつしか入らないので、とても時間がかかってしまいます。

 

そこで、私の方から提案させていただくのは、

 

シリンジ

 

というアイテムを使った補充方法です。

 

 

以前したツイートにやり方を記載しましたので張り付けておきます

 

 

 

 バリオスインクからブロードニブに直接染み込ませる方法だと時間もかかるうえに、入った量が分からないのが難点ですが、シリンジを使うと、入れたい量を正確に測って入れることができます。ニブを外したりキャップ外したりで手間はありますが、有効な方法です。

 

ちなみに、インクを補充する際の注意点は以下です。

 

 

 

インクは中綿に収まっているのがベストです。 中綿の筒の外側にインクが漏れていると、インクをとどめるものがないので、キャップを外すとインクが落ちてきやすいのです。 ここは補充をするうえで最も注意しない解けないことですね。

 

 

 

実はですけど、ちょっと前までは「ブースター」っていう、バリオスインクの口に直接つける補充用のアイテムがありました。

 

現在では廃盤となってしまい、これを使って補充をしていた方からは落胆の声が漏れていましたが、要するにアイデアとしては「バリオスインクのボトル自体をシリンジ化する」と言うものです。

 

 

 

 

 結構針先がとがっていて、痛そうですが、この構造も中綿の奥にしっかりインクを補充するうえで考えられたつくりでしょう。

 

もう生産していませんので、偶然見かけたらひとセットだけでもゲットしておくことをお勧めします。

 

 

ニブのクリーニング

 

これはあまりほかの人がやってるとは聞かないニブのクリーニング方法です。

 

特にブラシニブは、インクのアルコールの揮発が激しいため、ネバッとした染料の塊が付きやすいのです。そのまま塗ると、「こんなはずじゃなかったのに・・・」という結果になるでしょう。。。

 

それを解消するのに行うクリーニングの動画と解説をツイッターにアップしました。以下に張り付けます。

 

 

 

 やり方はシンプルです。 染料がこびりついたブラシニブを本体から取り外し、それをアルコールを染み込ませたティッシュで揉むようにふき取っていくのです。

 

これをやっておくと、よっぽど深くこびりついていない限りはうまく取れます。

 

  

 

ブラシを本体から外す時と、ティッシュにくるんで揉むときに注意しないといけないのは、

 

ブラシニブそのものを壊してしまわないように注意すること

 

です。

 

ブラシニブはほかのニブと違い、二つの部品に分かれるような作りになっています。

これによって多彩な表現ができるようになっています。

 

クリーニングするうえでの注意点をご理解いただくうえでもぜひ知っておいていただきたいので、以下にコピック全体の構造について解説したツイートを張り付けさせていただきます。

 

解説するために、もう使わなくなった色のコピックオリジナルを、洗浄して別色を入れられるようにするために分解していますが、分解するのかなり大変なのと、失敗すると壊れかねないので、皆さんはあんまりマネしないように!

 

 

 

 

 

この一連のツイートは、ブラシのクリーニングについてつぶやく前の段階でしていたものなので、ツイート的な順番は前後していますが、 この方が良いと考えこうさせていただきました。

 

まとめ

 以上、解説をさせていただきましたが、コピックはメンテナンスをきちんとすれば末永く使える画材です。

 

「13年前のコピックがまだ使えた」

 

というような声も以前聴いたことがあります。

 

また、今回はご紹介していませんが、ブラシもカスタマイズすることができ、形状が違うニブに取り換えて違う表現にもチャレンジできます。

 

コピックは、大切に使ってあげればちゃんと答えてくれる画材なので、皆さんもぜひ、大切に使ってみてくださいね。 

 

コピック・失敗しないための基礎知識・実践編 その2

はじめに

 

以前の記事

 

コピック・失敗しないための基礎知識・実践編 - コピックのすすめ

 

 

ではブログでは、なるべくムラがない仕上がりにするためにはどうすればいいか、ということを、「コピックは染める画材」という特徴を絡めて説明してみました。

 

今回はコピックのもう1つの特徴「乗算」について解説します。

 

 

 

乗算は「押し込む」?

 

コピックは乗算、つまり塗り重ねることによって混色ができるのですが、この混色には注意点があります。

 

混色のパターンを下に2つ示しします。

 

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どちらも同じ色(R32とB32)を使った混色なのですが、色味が違うのがわかりますか?

 

 

これは塗り重ねる色の順番をそれぞれ入れ替えて塗りました。

 

順番が変わるだけでこのように仕上がる雰囲気が変わります。

 

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1色目は最初に入れた色、2色目は1色目の上から入れた色です。

 

同じ色同士を混ぜたはずなのに、なんでこんな違いが出てしまったのでしょうか。

 

コピックで塗り重ねると具体的にどんな状態になっているのかって想像しずらいですよね。

 

なので、まずそのあたりから図解してみましょう。

 

今回のブログの記事作成に当たり、先だってツイッターで図を用いて重ね塗りの解説を試みてみました。 その連続ツイートを以下に張り付けさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

ツイッターでは字数の関係で説明が希薄なので、ここからは画像を貼りつつ詳しめに解説していこうと思います。

 

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コピックは染める画材と以前お伝えしましたが、コピックはブラシを紙にくっつけて動かすと、染料と呼ばれる色の材料が溶けたアルコールインクが紙に染み込み、紙と合わさることで色が出ます。

 

図ではR32 を紙に入れた状態の画像と、紙の断面を図解したものです。

 

 

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1色目を入れてすぐに、今度は2色目をいれます。するとどういったことが起きるのか。

 

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2色目を入れる時、紙には1色目のインクが陣取っていて2色目が入るスペースがないため、2色目が1色目を押しのける形で色が入ります。

 

何故そう言えるのかと言うと、2色目を入れたあとに紙を裏返して見ればわかります。

 

f:id:yousko:20190520100151j:imageこれが表です。2色目を入れた後なので、B32の青みがかった感じに見えますね。

 

 

f:id:yousko:20190520100344j:imageこれが裏です。 表とは違って赤みが強く出ています。 2色目に押しやられて裏の方に赤みがが出ています。

 

これが「色が押しのけられた」と説明できる理由になります。完全に混ざっているなら、裏側も同じ色になっていないとおかしいですからね。

 

(余談ですが、コピック絵描きさんのイラストは、もし裏も見れるなら見ているといいかと思います。どの部分にどれくらい色をどの順番で入れたのかが想像しやすくなります。)

 

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そしてそれを表面から見ると、2色目の染料の隙間から1色目の染料が見え、結果として混ざった色として見える、これがコピックの色の混色、重ね塗りの仕組みになります。

 

紙の中にインクを入れる、染み込ませると言うのがコピックの考え方なのですが、この考え方が乗算にも影響を与えています。

 

塗り重ねるとき「1度目に塗った色を、2度目以降塗る色で押し込んでいる」わけです。

 

最初に貼り付けた画像も

 

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1色目に塗った色が2色目に押しのけられた結果、表面に2色目の色味が強く残った

 

と言うことになります。

 

 

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2色目が1色目を押し込む

 

コピックの混色の仕組みとしてぜひ覚えておいてください。

 

 

 

混色できない?

 

コピックの塗り重ね・混色のしくみを説明させていただきました。

 

先ほど重ね塗り混色をしたのはR32とB32でした。

 

絵具でも「赤と青を足すと紫になる」と言われるくらい定番の色の組み合わせであり、混色してみるとたしかに紫に見えます。

 

先ほどは色の番号的に薄い色を用いた混色でしたが、では、今度はR37とB37という先ほどより濃い色を使ってやってみましょう。

 

果たして、これが「濃い紫」になるのでしょうか?

 

 

仕上がりが真っ黒になってしまいました。とても紫には見えません。

 

先ほどと同じように図解してみましょう。

 

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まず1色目としてR37を入れてみました。

 

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そして2色目。1色目の押し込みが起きます。

 

 

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2色目を入れた後が図の状態です。

 

前章での図解に比べて、図で示した染料の粒が多いですよね。

 

実はこれわざと多めに描いたのですが、これには理由があります。

 

その理由を説明する前に、以下に、コピック公式キャラクターのトウマくんのつぶやきと公式ページを引用させていただきます。

 

 

 

【引用 コピック応援キャラ コピックツインズ(トウコ&トウマ)】 

twitter.com

  

明度(Intensity Value)について

B04 TahitianBlue

ニュートラルグレイの00,0,1~10の階調(薄い〜濃い)の12段階を基準に、
一つの色系統を、000,00,0,1〜9までの階調(薄い〜濃い)の12段階に分類しています。
つまり、N10と明度の末尾9が対応しています。
また、Y、YGについては、高明度高彩度であるが故に他の色相数値とは違っているため、同じ数字でも一段薄くなっています。
※本来は「明るい〜暗い」ですが、感覚的な分かりやすさを優先しているため、
「薄い〜濃い」という表現を使っています。

COOL GREY Vlolet

 

(引用元 コピック>カラーシステムについて https://copic.jp/about/color_system/ )

 

 

実はコピックは色の番号、特に一の位の数字が明度、コピックにおいては色の濃さを表していて、この数字が大きくなるほど

 

染料の濃度が濃く 、暗い色になっていきます。

 

R37もB37も、10段階の表示でいえばかなり後半のであり、8の濃さの色なので、含まれている染料の濃度が高い色になります。

 

そこで先ほどの図に戻ってみましょう。

 

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2色とも染料の濃い色であるがために、図のようにコピックにおける混色(隙間から下の色が見える)がうまく機能していない状態となっています。

 

 

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表面から見たらこのように真っ黒になりました。

 

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裏面から見ると赤はしっかり押し込まれています。

 

 

 

 

 

 

厳密に言うと今回の組み合わせでは「成立している故に黒く見える」わけですが、あまりにも密度が詰まりすぎていて目に見える混色は成立していないとお考えください。

 

 

なるべく薄めの色同士で混色をする

 

発売していない色を作り出す混色のテクニックとしてぜひ覚えておいてください。

 

 

まとめ

 

今回は、コピックの重ね塗り・混色に関して、「押し込む」という言葉を使って説明させていただきました。

 

デジタルだと、塗り重ねる順番が変わっても同じ色の結果が得られますが、コピックだと全然違うというのがお分かり頂けたでしょうか。

 

コピックの重ね塗りは、2色目が1色目を押し込む

・混色は色番号一の位が小さい数字のものの方が上手くいきやすい

 

この2点をぜひ覚えておいてください。

 

 

おまけ

 

実は混色に適したコピックの薄めの色を集めたセットが、Tooさんから発売されています。

もしまだ一本も持っていないという人は手にしてもらうのもいいですし、このセットの色は持ってるけど「このセットされた色は混色しやすいんだ」っていう知識としてもプラスになると思いますので、セットの色の内容だけでもご覧いただければと思います。

今回のブログで説明させていただいた、一の位の数字が小さいものが集められています。

 

・Too コピック スケッチ コミックイラスト 24色セット

Too コピック スケッチ コミックイラスト 24色セット

Too コピック スケッチ コミックイラスト 24色セット

 

 

・Too コピック チャオ スタート 12色セット 

Too コピック チャオ スタート 12色セット

Too コピック チャオ スタート 12色セット

 

 

こちらの12色のセットには、対応する解説本があります。イラストレーター・ばびりぃさんが手掛けられた、ものすごくベーシックで、はじめてコピックに触れる方にとっても、とてもわかりやすく解説してくださってますので、合わせて手に取ってみてください。

 

・12色でスタート! はじめてのコピックイラスト

12色でスタート!  はじめてのコピックイラスト

12色でスタート! はじめてのコピックイラスト

 

 



 

 

 

コピック・ポップイラストメイキング・「一年生になったら」

おはようございます、こんにちわ、こんばんわ、

ゆうす湖です。

 

4月の第一週に、季節ごとに描かせていただいているカワチ画材三宮店さんのコピックポップイラストを更新しました。

 

お店の方から「入学したっていうお祝いの感じ」をリクエストいただいていたので、入学したてのランドセルを背負った一年生の男の子を描かせていただきました。

 

f:id:yousko:20190414192500j:image

 

今回のブログでは、使った色と肌、髪の毛、服と言った大きな部分の塗りに焦点を当ててメイキング動画をつけながら、解説してみようと思います。

 

 

 

 

色紹介

まず使用色の紹介から。

 

 

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0 カラーレスブレンダー

YR0000 (肌で最も明るい色)

YR000 (2段目の色)

YR20 (影)

R11(頬の色)

RV32(影の差し色)

 

 

髪の毛

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0カラーレスブレンダー

YR30(ハイライト その1)

E40(ハイライト その2)

T2 (下色) 

T4 (2段目)

T6 (影色)

 

 

ランドセル

f:id:yousko:20190410190628j:image

 

E30 (ランドセルのストラップ・クッション部分下地)

E40 (ランドセルのストラップ・クッション部分)

E42 (ランドセルのストラップ・クッション部分影色)

YR30 (ハイライト)

E53 (下色)

E55 (中間)

E57 (影1)

E59 (写真に撮り忘れておりました、影2)

 

金具

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C00 (全体的に塗る下色・ハイライト)

C1 (基本的な色)

C3 (段目の色)

C5 (影・最暗部)

 

 

服 (制作途中で写メ取り忘れたため、コピックのみです)

f:id:yousko:20190410190642j:image

YR30 (ハイライト)

B93 (一番明るい色)

B95 (中間色)

B97 (影色1)

B99 (影色2)

 

 

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YR30 (瞳上部ハイライト)

E30 (瞳下部下色)

BG70 (白目下色)

BV31 (白目影色)

BV20 (白目影の縁色)

BV23 (瞳ライン1)

BV25 (瞳ライン2)

 

 

背景

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R11 (桜)

B12 (空)

 

小物 (ピアニカと定規)

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B52 (ピアニカ)

T4 (黒鍵)

C3 (ホース)

E31 (定規) 

E55 (定規の溝)

 

小物 (ノート)

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R0000

R35

R39

 

 あと写真にはないですが

入学式の看板

E40

R21

BV31

etc...

 

色鉛筆ケース

Y35

BV25

etc...

 

 

 

コピックの色の入れ方・グラデーションの基本

 

解説を始める前に、コピックでの色の入れ方の順番を解説させていただきます。

 

コピックは塗り重ねてグラデーションを作ることができるのですが、

 

そのグラデーションの仕上がりを「滑らかにする」「階段状にする」かの大まかに2通りあります。

 

この塗り分けは、表現したいものに合わせて使い分けすることで、リアリティのあるものを描くことができます。

 

まずは「滑らかにする方法」。動画はリンク先にて、早回しになっています。

 滑らかにする方法を使って表現しやすいものの代表は「肌」。 肌はパキッとした立体ではなくて、曲がった面があったりで、こういうものを表現するときは、滑らかなグラデーションが有効です。

 

次に「階段状にする」方法

 階段状にする場合は、なるべく乾いてから次の色を重ねると、先に塗った色との境界がはっきりした仕上がりになります。動画では尺の関係上、下色を塗ってすぐに次の色を重ねていますが、下色が完全に乾いてから次の色を入れると、もっとはっきりとした境界線のあるグラデーションにできます。

この表現が有効なのは、立方体のように、面が角ばっていて影がはっきり出るようなものに有効な表現方法になります。

 

 

今回はどちらかと言えば滑らかな面で構成されたパーツが多いので、前者の滑らかにする」方法で大部分を塗っていきます。

 

 

 

メイキング解説

具体的な塗り方の解説に入っていきます

 

  •  肌色

 

 

 肌は主に局面で出来ています。なので出来るだけ仕上がりが滑らかになる方がそれらしくなります。方法としては「滑らかにする」塗り方が有効と言えるでしょう。

 

動画では省略されていますが0番カラーレスブレンダーを先に塗っておくのは、下色として一番最初に塗る色を滑らかになじませるための方法です。

 

0番を塗って下地を作る

R11をほほの赤みとしてぬり、色のフチを0番でぼかす

YR0000で下色を入れる。この際光でテカっているいると思われるほっぺ、まぶたのでっぱり、鼻の頭あたりは塗り残すように注意。

YR000で髪の下、鼻の下などの影を塗る。

YR20で影に色を足す。

RV32を影のさし色として塗り、YR000でぼかしてなじませる。

 

という流れで着色しています。

 

ツイートでちょっと触れましたが、実はこの塗り方はこちらの本

SSイラストメイキングブック~SS illust making book~コピック vol.01

https://www.amazon.co.jp/SS%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF-SS-illust-making-book-%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF-vol-01/dp/4835452151/ref=pd_sbs_14_8?_encoding=UTF8&pd_rd_i=4835452151&pd_rd_r=4933d266-6900-11e9-bc91-415ad1332ee9&pd_rd_w=Z1TKk&pd_rd_wg=iS3Tl&pf_rd_p=ad2ea29d-ea11-483c-9db2-6b5875bb9b73&pf_rd_r=745WSNCNHSZ6KC7N7SRQ&psc=1&refRID=745WSNCNHSZ6KC7N7SRQ

 

に載っている、りーりんさんの塗り方を参考にさせていただいた塗り方です。ほほの色の入れ方や、使用色は少々違いますが、影の色の入れ方はとてもいい仕上がりになりますので、よかったらこちらの本もチェックしてみてくださいね。

 

 

  •  髪の毛

 

髪の毛は細い髪の繊維が何本も束になっているもので、それを表現するような塗り方をするとそれっぽくなると思います。

 

具体的には、

 

髪の毛の流れをイメージして、その流れに沿うようにブラシを動かす

 

ということです。

 

また、毛束はあつまると滑らかな面を形成しますが、ブラシの抜けがぼんやりせずにはっきり残っているほうが、毛の流れが分かりやすく表現できると思いますので、下地が乾き気味の時の方がベターな気がします。

 

 

 

 

 髪の毛を塗るときまず僕は髪の毛のハイライト、つまり髪の毛が一番光ってテカっているところの色を先に入れます。

 

今回そのハイライト部分に入れる色としてYR30とE40を使っています。その理由は、一番部分はもっとも光の色を反射するけど、その点から離れると反射する光の量も色味も変わるという考え方からです。

 

まず下地として0番を入れる

次にハイライト(YR30・E40)を入れる

最も薄い色(T2)を入れる。髪の毛の流れに沿ってブラシを動かすことを忘れずに。

次の色(T4)を入れる。この時、なるべく先に入れた色(T2)の部分を一部残すようにすること。そうすることで、明るいところからだんだんと暗い色になっていくグラデーションを作ることができます。

最後に影色(T6)を入れる。このとき、髪の毛の束は厚みがあるので、その厚みが感じられるような影をちらっと入れておくとよいでしょう。おでこにかかっている髪の毛に上から下まですっと入れた影がそれです。

 

 

 

こちらは先に示した、境界の仕上がりの違いメイキングと同じ色組で入れております。 ただ一つ、唯一の違いは、下色(ハイライト)のYR30を、「光が当たると想定した部分だけ入れている点」です。

 

下色を全体的に塗る動作は、紙をアルコールで湿らせて二色目以降の色馴染みを良くする意味で行っているので、今回のイラストでは0番を先に入れているのでその動作に代えています。手数は0番を塗ると多くなるので、この辺は使う色と仕上がりとの相談になります。

 

 

 

0番を下地として塗る

YR30を光が当たると考えられる部分にのみ塗り広げる

B93を全体の下地として塗る

B95からB97を光から影までのグラデーションとして、必要分を広げる

B99を影として入れる

以降繰り返しとなります

 

 

  •  ランドセル

 

一般的にランドセルは、男の子は黒色なんですけど(という常識はもう古いですかね)、最近はいろんな色やデザインが出ているので、ブラウンでも良いか~と思い、今回はこの色で作成しました。

 

まずは金具から

 金具は以前紹介させていただきました、金属を描くときの色組を利用しています。

光の当たらない部分なので、もっと暗い色にしてもいいのですが、イラストで金属とわかる色味であるほうがふさわしいかと思い、この色味で行きました。

 

 そのかわり、いつもならハイライトは紙色を使うのですが、今回はC00で少々色を足して「暗い中のハイライト」としました。

 

C00(ハイライト)を全体に入れる

C1(下色)をハイライトを残して入れる

C3で金属らしい縦の線を入れる。

C5で縦の線の強調と影を入れる

 

 

ランドセルの本体

 

 ランドセルの本体は「革の箱」なので、光の当たる面と当たらない面がはっきりしています。それぞれの面がくっついている角の部分は色を入れないほうがリアルな感じになりますので、それぞれ「各面ごとに塗る」というのがポイントになってきます。

 まずは局面を有するランドセルのカバー部分から始めます。

 

下地として0番を敷き詰めます。

 ハイライトとしてYR30を入れます

ハイライト部分を残しつつ、E53を入れていきます。

E53を塗った部分を残しつつをE55、E55をいれた部分を残しつつE57をいれていき、ハイライト部分からのグラデーションを作る。

 

E57以降の手順は、収録中に容量不測の関係で録画ストップしてしまったため、次の動画に入ってしまっているので、その点だけご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 側面も、先ほどと同じ手順で色を入れます。今度はハイライトの位置が違うのでその点だけ注意が必要です。

 

底面は今度は今まで塗った面の中で影に入る部分にあたり、一番暗めにしないといけない面です。E59まで使ってなるべく濃くしましょう

 

 0番を敷き詰める

影であるため、ハイライトとE53は飛ばしていきなりE55を入れる。

 E57で、最も光の当たる面から画面右に向かって筆を払うように入れていく

E59で最も濃い影を入れる。影の面だからと言って、全体にE59は入れないのがポイントです。いわゆる「照り返し」と呼ばれる、反射した光が影の部分に当たって、暗い中でも明暗が存在するためです。

 

光と色の関係は、色を付けるうえですごく重要で、これを説明してくれる本があるのでご参考までに紹介させていただきますね。 これはコピックに限った話ではなくて、写実的に描くうえでもデフォルメして描くうえでも参考になることなので、是非一読いただければと思います。

 

「カラー&ライト ~リアリズムのための色彩と光の描き方~」

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC-%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E8%89%B2%E5%BD%A9%E3%81%A8%E5%85%89%E3%81%AE%E6%8F%8F%E3%81%8D%E6%96%B9-%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%BC-James-Gurney/dp/4862461530/ref=pd_sbs_14_1/355-7805304-7985466?_encoding=UTF8&pd_rd_i=4862461530&pd_rd_r=e15e5c1b-6a7b-11e9-8006-c7d74df2f01b&pd_rd_w=QLuYW&pd_rd_wg=I4q1i&pf_rd_p=ad2ea29d-ea11-483c-9db2-6b5875bb9b73&pf_rd_r=M6G14VWWNE4NYDQ5B6W7&psc=1&refRID=M6G14VWWNE4NYDQ5B6W7

 

 

動画に含まれていない部分の塗りは、特筆すべきテクニック等ないため割愛させていただきました。

 

終わりに

 

 以上で解説は終わりになります。

完成したイラストはカワチ画材三宮店(東急ハンズ三宮店5F)の店頭に原画がございますので、お近くの方は実際の色をご覧いただければなと思います。

Pixivにも大きいサイズで完成形がごらんいただけますのでよろしければどうぞ。

https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=74144193

 

 

この中でわかりづらい部分や、気になる部分があればコメント等で質問いただければ、可能な限りお答えさせていただこうと思いますので、お気軽にどうぞ!

 

 

では!

コピック・#いいねの数だけ推し色を語る・まとめ

 

はじめに

 

理屈っぽいことが続いたので、今回は一旦息抜き回として、以前Twitterで「#いいねの数だけ推し色を語る」のタグで呟いた色のまとめをやろうと思います。

 

小ネタ込みで語ったので文字数が足らず、語り足りない部分があるので、こっちなら思う存分語れるw

 

 

 ちなみに「#いいねされた数だけ推し色を語る」のタグとは別にコピックに限ったことではないんですけど(水彩とかカラーインクとか)、色数がやたら多いコピックにぴったりだったのでやってみたら、他にもやってる人多かったのが面白かったです。

 

 

YR30 Macadamia nat

 

 

私の激推しの色です。 これは絶対一本買ってかつバリオスインクも常備しておいてください。そのレベルですごい使いやすい色です。

 

コピックは光を表現するのには「なるべく色を付けない(紙の白地を利用する)」っていうのが重要ですが、色味のある光源を決めて光に色を付けたい、そういうときにすごく重宝します。

薄い色って案外使わないよな〜、、、とコピックを使い初めは思ってしまいがちなんですが、ぜひこの色で色々試してみてください。

 

 

 

BV31 Pale Lavebder

 

 

 

 こちらも激推しの色。 考えたら推し色を語るんですから、どの色も”推し”なの当たり前なんですけけどねw

 

個人的な意見なんですけど、白いものの影はBV31(もしくはBV系やV系の青味がかった薄い色)を使うと清涼感が出ます。 N系統とかC系統でも全然オッケーなんですが、この辺りは物の質感とか、自分が仕上げたいイラストの仕上がり具合と相談です。

 

ちなみになんですけど、先に紹介したYR30とBV31は補色関係(つまり真反対の色)にあります。

 

 

 

BG70 Ocean Mist

 

 

キャラの白眼のためにあると言っても大げさではない色です。人間の目は「白目」と言いつつ全然「白」はないのです。紙の地の色を使うのも手なのですが、光が降り注ぐような中にいるキャラの白目の色と、影の中にいるキャラの白目の色はちがいますし、変化を持たせた方が、説得力が出ますよね。そういう変化の1つ、としてストックに加えておいていい色だと思います。お好みでどうぞ。

 

 

 

Y32 Cashimere

 

 

Y系統の中では一番好きな色です。Y35とY38はかなり黄色味が強くなります。クリーミーで自分好みの黄色で、本当によく使います。

 現状でY30っていう色が無いので、0番で薄めて使っておりますが、コピックは存在しない色を自分でインクを混ぜて作ることができます。 なかなか色と色を混ぜるのも難しいのですけど、単純に色を薄めるだけでもすごく使いやすい色になったりします。 0番で薄めるのはテクニックとして覚えてもらっておいて差し支えないと思います。

Y30が出てくれるのを待ってます!(トゥーさんに目配せ)

 

 

 

B32 Pale Blue

 

 

B系統の中では最も美しい色と思ってるのがこのB32。耐光性の観点から言えばどうしても儚いんですけど、それでも使いたい。Gパン描くのにどうしてもいるので、手放せないです。

 

B32からB39はB系統の中でもすごく「青らしい青」と言えます。青の中で始めに買う色、そして揃えるラインとしてはまずB32〜39は候補に入れておいて良い色です。

 

 

 

YG91 Putty

 

 

「濃さが同じ」に関して念のため補足すると、コピックはだいたい色の濃度の定規みたいなものが決まってて、それに沿って色作られてるんですね。

 

これ話し出すと長くなりそうなので今回は置いておきますけど、色の番号で判別も出来ますし、目で見る意外に簡単に濃さを判別する裏技だけお伝えしておきます。塗った色を写メに撮って、編集でモノトーンにしてみてください。色味が飛んで同じ色に見えたらだいたい同じ濃さとして扱っていいと思います。

 濃さが分かっていると、自分が注目させたいところを際立たせたいとか、そういうときに色選びの指針になります。

 

 

E70 Ash Rose

 

これも絶対おすすめ。こんな使いやすい色あるのかってくらい毎回使ってる色ですね。リアリティを追求すると、リアルの人物の肌の影の色はE70番台に近い色してます。電車とかで目が合わない程度に観察してみてください、目があったら軽く会釈などしておくと気まずくはないかとw

 

冗談抜きに、絵を描くうえでは観察は大事です。描きたいものの色形を良く観察してみてくださいね。

 

 

G20 Wax White 

 

 

どの系統でも同じなんですけど、20、30、40、60、70とか、一の位が0の色はほんと使い回しが良いです。

 

薄い色なのであんまり使わないかも、、、って買わないのはすごくもったいない❗️

 

薄い色は色を馴染ませたいとき、あるいは色を抜きたいときにある意味濃い色から見たときに0番の代わりとして使える場合があるんです。

 

 

E40 Brick White

 

 

古い紙色演出にめちゃくちゃ使ってますが、例えばW系統でも当然代用できます。イメージした仕上がりに近い方を使うことをお勧めします。

 

ちなみに小ネタとして、NARUTOの作者で有名な岸本斉史さんは、コピックの発色をわざと落とすために、W1を紙全体に塗ってから着彩されるそうです。コピックは乗算の画材という説明をしましたが、まさにそれを利用した塗り方と言えます。

 

 

 

B99 Agate

 

 

先ほどのB32番台を「青」とするなら、B91番台は「藍色」と言えます。どの系統でもそうなんですけど、僕個人的には彩度高めな色よりも、ちょっとくすんだ、渋さがある色味が好きで、B90番台はとても好きです。  夜空などはこちらの方が良い風合いに仕上がると思います。先に書いたB32のラインとB91のラインは持っていて良い色です。

 

 

 

E07 Light Mahogany 

 

 

コピックは色番が連続する色同士の順でのグラデーションはすごくやりやすくなってるはずなんですが、この辺りは、なぜかその順番で使ってもうまくグラデにならない、自分的に七不思議の1つ(7つもないかも)ですね。一色分離れてるんですが、E07とE09がなぜか色味がすごく近いんです。

 

 

 

YR27 Tuscan Orange 

 

 

コピックは素材になった染料の色味が近しい色が他の系統に散らばっていたりすることがあるようで、よその系統から持ってきた色でうまくグラデが作れてしまったりします。これもその一例。

番号1つしか違わないのに急に濃くなったりするところがあったりするので、近い色をよそから持ってこれるようになると、接続してグラデ作りやすいです。

 

 

BV20 Dull Lavender

 

 

鈍いラベンダー色っていう意味で、色としてはちょっと青みがあるんですが、V系統にV20っていうちょっと赤みを帯びた色があって、用途に合わせて使い分けができます。

BV20は、後程追記するかもしれませんが、金属を表現するのに僕は良く使っている色です。 

 

 

 

0 Colorless Blender

 

 

ギャグ以外の何者でも無いですが、デザイナーの人がPhotoshopの透過背景見てなんて言うのか〜、、、と同じようなネタです。

 

先に書きましたが、色を馴染ませたいときに0番の代用として使える色があって、ある程度色数が増えた段階でそちらを使った方がいい場合があったりするので、この辺りは使いやすい方を使うのがベストだと思います。

 

0番はあえてイメージを説明するなら、

 

ブリーチする色番

 

と言っておいて差し支えないかなと思います。

 

「なん、、、だとっ・・・?!」

 

とか

 

卍解!!」

 

 のブリーチではないですよ(重要)

 

決して0番は卍解しないこと!

 

 

 

Y28 Lionet Gold

 

ツイートした段階でLionel に打ち間違えしちゃってたんですが「Lionet Gold(らいおねっとごーるど)」が正しいです。

 

ツイートした段階ではぼかして言ったんですけど、この色をリクエストしたのは、漫画家の大暮維人さんです。大暮維人さんのリクエストで作られた色は、僕の知る限り5色あるそうで、そのうちの1色がこれです。作家さんのリクエスト聞いてくれるなんてなんていいメーカーさんなんだと思いましたw

 

テクニック的には僕からお伝えできるものは少ないんですけど、持っていて損のない色です。

 

絵を描き始めの時によくありがちな「金属の色の、金色・銀色・銅色を表現するにはどれ使えば。。。」っていうお悩みをお持ちの方がいるかと思いますが、コピックでは

 

金はY21〜28の色番

銀はC系統のひとつ飛ばし(C1・3・5とか)

銅はE11〜18

 

を使うことで表現できます。

 

以下の埋め込みツイートは「0番プラス3色」を使って表現したその一例。若干色番をずらしたり変えたりしております。

銅の新品感というのは、もしお財布の中に10円玉があれば確認してほしいのですが、作り立ての10円玉と昔に作られた10円玉の色を見比べてみてくだされば、こういう塗り分けの意図がご理解いただけるかなと思います。 

 

 打ち間違えてしまってますが、「スタート12色セット(https://copic.jp/news/20170224)」っていうのは、イラストレーターのばびりぃさんが作られた本(「12色でスタート!初めてのコピックイラスト」https://copic.jp/book/12colors/)に合わせてTooさんが作られた、これからコピックを始める人向けのスタートセットのことです。0番も入っていますし、手本として本も出ていますので、まだコピックを一本も持っていない人はまずこれから手にしていただくのがオススメです。

 

 

 

 

おわりに

 

コピックはさすがに400近い色数があって、使っていくうちに「この色好きだなー」っていう色に何色も出会えると思います。

 

好きだな~って思える色を取り入れてイラストを描くと、何より楽しいですし、ずっと使っていくことでその人のイラストの「色」「特色」になっていくんじゃないかと思います。

 

今回の記事は、読んでくれた人の「いいな」って思える色に出会える一助になってもらえればうれしいなと思います。

 

 

コピック・失敗しないための基礎知識・実践編

 

はじめに

 

前回の記事

yous-copic.hatenablog.com

ではコピックの性質と、コピックと紙の関係について解説してみました。

 

今回はそれを踏まえて、実戦で解説をさせていただきたいと思います。

 

  

色ムラの解消法

 

f:id:yousko:20190309105252j:image

 

まずコピックを使い始めたばかりの人は、コピックの性格・性質をまだ知らない状態の方がほとんどで、どうしてもこういった状態になってしまいがちです。

 

ですがコピック染める画材っていうことを理解してもらうと、この状態をクリアするのはとても簡単です。

 

上の色ムラが出た状態というのは、

 

 

コピックを塗る道具として考え、そしてそう考えた状態で使ってしまっているから起きる症状だといえます。

 

 

デジタルのように、

 

 

「筆のサークルを動かした場所に均等に色が付く」という感覚がコピックでは通用しないのです。

 

 

 

 

ここで、色ムラが出てしまう色の付け方を動画で見てみましょう。

 

 

丸の中をブラシがあちこちに動いてしまっていますよね。ですが間違いなくサークルの中全体を筆が動いています。

 

 

次に、色ムラの出にくい色の付け方を見てみましょう。

 

 

ブラシは一定の速さで円を描くように、サークルの中全体をしっかりと筆が動いています。

 

結果の画像

 

円の中全体をブラシが動いたのに、なぜこのような違いになってしまったのでしょうか。

 

 

 

コピックの色がつく仕組み

 コピックは紙と接したブラシの先から、染料(色の材料)が溶け込んだアルコールインクが紙に染み込むことで色が付きます。(図1)

 

f:id:yousko:20190314090417j:image図1

 

紙とブラシが接した状態で動かすと、それに合わせて順にインクが紙に染み込んでいくという仕掛けとなっています。(図2)

 

f:id:yousko:20190314092127j:image図2

 

 

色ムラがある状態を言い換えるなら、紙にインクが均等に染み込んでいない状態とという事です。

 

 

 

 

ムラができる理由とその対策

 

色ムラの理由の解説を始める前に、

 

コピックは染める画材」

 

という言葉を思い出しつつこの章を是非読んでください。

 

 

色がムラになってしまうとき、紙の中ではこういう事になっています。。。(図3)

 

f:id:yousko:20190317133901j:image図3

 

 

濃いところはしっかりとインクが入っているのですが、薄いところはしっかりとインクが入っていません。

 

こうなる理由としては、

 

  1. ブラシのスピードが一定では無い(場所によっては早くなったり、遅くなったり、止まったりしている)
  2. 1度塗り・2度塗り・3度塗りの状態が混ざってしまっている(一度ブラシが通った箇所を何度も通過する)
  3. 紙質自体がそもそも均質ではないことがある(製造の過程で紙の繊維がダマになってしまっている、湿気ている、表面が油分で汚れているなどなど、色が入りにくい状態になっている)

 

 

ということが言えます。

 

3に関してはコピックではなくて紙に関する性質と問題であったりするので、ここでは触れません。

 

 

先に示した図の例ですと、濃いところはゆっくりと、薄いところは早くブラシが動いてしまったということになります。(図4)

f:id:yousko:20190317134131j:image図4

 

 

もう一度図1を見てください。

 

f:id:yousko:20190315173605j:image図1

 

コピックはブラシ先から紙にインクが染み込んで色がつくので、

 

ブラシの動きが早いと、インクの染み込み時間が短い

 

ブラシの動きが遅いと、インクの染み込み時間が長い

 

となります。

 

早く動かせばインクが染み込みずらいので、それだけインクの染みは浅くなり、薄い色に見え、

 

ゆっくり動かせばインクが深く染み込み、その分濃い色に見えます。

 

 

 

つまりムラのない仕上がりにするには、

 

紙の上を出来るだけ一定の速さでブラシを動かして、なるべく均等にインクを染み込ませる

 

ということが大事になってきます。

 

ブラシをくるくる回して動かす方法は、速度を一定に保つことで、紙に染み込むインクの量を一定にできるという効果を得られます。

 

f:id:yousko:20190316144652j:image図5、なるべく均一にインクを染み込ませる様にブラシを動かすのがコツ

 

 

コピックは染める画材」と説明したのがここで活きてきます。

 

コピックを扱う時は、

 

 

塗っているのではなく染めている

 

 

という感覚の方が、ムラが少ない仕上がりに近づける第一歩です。

 

もしムラになるなと思った時は、一度自分が塗っている時のブラシの動きをよく観察してみてください。

 

きっとその中に、ムラになりやすい原因が潜んでいます。

 

 

 

動画解説

 

ここからら先程の動画の解説に入らせていただきます。

 

前半部分で言いたいことは言えたので、あとは詳しく知りたい方向けです。

 

まず1本目の動画で塗ったもの(画像左)ですが、まず円の真ん中あたりを広い範囲で折り返しながら色を入れました。

 

f:id:yousko:20190317190004j:image図6

 

次に、その塗った外側の白い部分をなくすような形でを入れました。

 

f:id:yousko:20190317162132j:image図7

 

こうした動きをした結果、仕上がりがムラになってしまいました。

 

先の章で書いたムラになる原因1と原因2をやってしまっているのです。

 

 

 先ほどの筆の動きを、全部合わせるとこうなります。

 

f:id:yousko:20190317194200j:image図8

 

 

 

すると

 

f:id:yousko:20190317194617j:image

図9

 

ピンク色で示した部分でブラシのストローク折り返しが固まり過ぎています。この部分だけ2度塗り、3度塗りされたような状態です。

 

逆に

f:id:yousko:20190317200534j:image図10

 

水色で示した部分はブラシのストロークが少ない状態になっています。せいぜい1度塗りか2度塗りされたくらいの濃さになっています

 

つまり、

 

ブラシの動きの不均一さが色ムラの原因になっているのです。

 

体育の反復横跳びで、長い距離の横跳びと短い距離の横跳びとでは往復の速さが違いますよね、あれと同じように、真ん中の部分を広く塗った部分のスピードと、両端を塗った時のスピードは全然違ってしまっているのです。(原因1・スピードが一定ではない)

 

また、白い部分を無くすために、初めに塗った部分にブラシがオーバーラップしてしまって、余計に濃くなっています。(原因2・重ね塗りの混在)

 

次に均質に仕上げられた方のブラシの動きを見てみましょう。

 

f:id:yousko:20190319083657j:image図11

 

 

ギザギザした動きではなく、小さく円を描くような動きで、サークルの中全体を走っています。

 

動画では、色付け初めから終わりまで、常にブラシが一定の速さで動いているのが観れたと思います。

 

 改めて仕上がりを見てみましょう。

 

f:id:yousko:20190319083609j:image図12

 

このような感じになっています。

 

 

 

最後に

 

ムラのない仕上がりにするための解説は以上で終わりです。

 

この場を借りて一つだけお伝えしておきたいことがあります。

 

引用で用いたツイッターの解説動画のポストで「悪い色の付け方良い色の付け方」という表現を用いたのですが、これに関しては私の表現が間違っていたと撤回させていただきます。

 

色ムラというのは必ずしも悪いことではなく、それもコピックが出せる味と言えます。

 

そういった表現が必要な場合もあり、逆にムラを出すことで最適な仕上がりになることもあるので、色ムラ自体が常に悪いわけではありませんし、それを狙った塗り方が必ずしも悪いわけでもありません

 

あくまで、仕上げたい状態に対して最適な塗り方を選ぶことが重要です。

 

今回はムラの無い状態にしたい、でもできない・・・という方のために、その方法を解説したいと書かせていただいた記事ですので、その点ご理解いただければと思います。

 

 

ムラのない仕上がりを得たい場合は

 

ブラシの速度を一定に保ち、色を入れたい箇所になるべく均等にインクを染み込ませること

 

これが重要という記事でした。

 

 

 

 

読んでくれた方が少しでも楽しく絵が描けるようになってくれることを願っております。

 

 

 

 オマケ

 

ギザギザストロークとぐるぐるストロークの仕上がりの違いの動画です。

 

ストロークだけに注目して見ていただけるように新たに録画してみました。

 

塗りたい場所と得たい仕上がりに応じて、ストロークを使い分けてみてください。

 

ぜひ一度コピックを手に取って、同じように真似してみてもらえれば、どんなふうになるのか感覚が良くわかると思います。

 

今回のブログ作成にあたって使った画材は

 

コピックはB34

用紙はマルマンスケッチブック

 

です。

 

 ギザギザストローク

 

 

 ぐるぐるストローク