コピックのすすめ

コピック絵描き・ゆうす湖のコピックのあれこれ情報ブログ

コピック・失敗しないしないコツをつかむための基礎知識

はじめに

 

今回はコピックを使う上で、なるべく失敗しない、うまく使うコツのための基礎知識を書いていこうと思います。

 

 

コピックを扱う上でどうしても難しいと感じてしまう理由に、

 

ムラが出来て色が上手く塗れない

 

というものがあると思います。

 

f:id:yousko:20190305044543j:image(こういう筆の跡がくっきり残ってしまうのが、ムラがある状態)

 

僕自身もやり始めた当初、「なんでみんなこんなに上手く塗れるんだ、、、」

 

と膝をつくことがよくありました。

 

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なるべく右の丸の中のような感じに、綺麗に塗りたいですよね。

 

 

また

 

塗り重ねたら変な色になってしまった

 

f:id:yousko:20190305055530j:image

 

という事も。。。

 

 

 

今回はコピックを使って描く上で知っておくべきコピックの性質について書きます。

コピックを扱う上で本当に重要な知識なので、ぜひこれを機に知っていただけたらなと思います。

 

 

 

 

 

コピックの性質

 

  • 【性質その1】

 

結構大事なことを言います。

 

コピックは塗る画材ではありません、

 

 

紙を染める画材です。

 

 

コピックをお持ちの方は中のインクをご覧になられたことはありますか?

 

コピックには詰め替えのための、ボトルに入ったバリオスインクというものがあります。

 

それを見ていただくとわかるのですが、色の付いた半透明な液体です。

 

濃い色ほど透明感は無くなっていきますが、薄い色ほどかなり透明度が高いインクになっています。

 

コピックのインクは、一部を除き、染料と呼ばれるものすごく小さな色の材料、粒子をアルコールに溶かしたものなのです。

 

これを塗ると紙の中に染み込んで、紙の持つ色と合わさることで初めて発色します。

 

コピックのインクは紙に染み込む、

 

塗るではなく「染める」

 

些細な考え方の違いですけど、こう頭を切り替えると、格段にコピックを扱う腕は上がると思ってもらっていいです。

 

 

  • 【性質その2】

 

僕がコピックを説明するとき、こう言わせていただきます。

 

コピックとは「乗算の画材」なんです

 

と。

 

 

乗算とはデジタルで絵を描かれている方ならご存知だと思いますが、レイヤーの効果の名前です。

 

乗算にしたレイヤーは色が透けて、下の色の上にかぶさって、下のレイヤーの色と混ざる効果があるものですが、実はコピックもこれと同じような効果があると考えてください。

 

つまり

 

上に上に色を塗り重ねることで、紙の中で先に塗った色と混ざった色になります。

 

そして

 

塗り重ねれば塗り重ねるほど、どんどんと濃い色になって行きます。

 

同じ色のペンでも、一度塗りと二度塗りでは色の濃さが変わります。

 

違う色を塗り重ねる事で、紙の中で新しい色を作り出せます。

 

発売されていない新しい色も使い手の工夫次第で作り出すことができるのです。

 

 

 

 

コピックと紙の関係

 

  • 紙に色がつく仕組み

先程の性質その2とかなり関係のある話なんですが、コピックで紙に色が付く仕組みを図解したいと思います。

 

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コピックは紙に筆先をつけて擦る事で、染料と呼ばれる小さな色の粒がアルコールで溶かされたインクが紙に染みわたる事で色が付きます。

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塗った後アルコールは数秒ほどですぐに乾き、しみわたった染料が紙に残り、紙に色がつくのです。

 

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f:id:yousko:20190303105948j:image(コピックのR35の色で実際に紙に色をつけた状態)

 

以上がコピックが紙に色を付ける仕組みです。

 

 

  • 紙は入れ物

 

コピックにとって紙とは、インク・染料を受ける入れ物・受け皿のようなものです。

 

なので、紙には

 

インク・染料を受け取れる限界値のようなものが存在します。

 

コピックは塗り重ねができる乗算の画材ではありますが、塗り重ねる事が可能な回数に限界があるということです。

 

この紙の限界値は、紙の分厚さや性質、ケント紙や水彩紙などの種類によって、全て違います。

 

 

コピックはそれぞれ含まれている染料の濃度・量が違い、紙の種類によっても限界値が異なるため、「何回まで重ねられる」と一概には言えませんが、塗り重ねる紙の表面がテカり出したら、染料が紙の表面から下に入れず、溢れている状態だと思っていただいて差し支えないです。

 

f:id:yousko:20190305050302j:imagef:id:yousko:20190305050419j:image(塗り重ね過ぎた場所で染料が溢れ、テカリが生じた状態)

 

これは紙を、紙でできたお皿と考えていただくとわかりやすいです。

図解すると

f:id:yousko:20190305053442j:image(紙はお皿のイメージ)

 

f:id:yousko:20190305053453j:image(コピックで色を付けるとは、インクをお皿に注いでいるということです)

 

f:id:yousko:20190305053508j:image(注ぎすぎるとあふれ出ます)

 

 

また、その状態になる頃には、

 

「紙の裏からも溢れている」

 

という事です。

f:id:yousko:20190305050606j:image(塗った箇所を裏側から見た状態)

 

紙の種類によっては、このお皿が深かったり浅かったりします。

f:id:yousko:20190305054022j:image

 

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どのくらい色が入るか、どのくらい色を重ねられるかどうかは、このお皿の大きさ次第なのです。

 

 

塗り重ね回数と紙の実験は、いずれこのブログでも扱ってみたいと思います。

 

 

まとめ

 

いかがでしたでしょうか。今回は失敗しないための基礎知識として、コピックの性質と紙の関係を書かせていただきました。

 

コピックとは

 

・染める画材

・乗算の画材

 

コピックと紙の関係

 

・紙はインクを受けるお皿

 

これを是非覚えておいてください。

 

 

じゃあ具体的な方法はどうするか、ということですが、この記事に追加するか、あるいは次回の記事で今回のことを踏まえて解説してみたいと思います。

 

よろしくお願いします。