コピックのすすめ

コピック絵描き・ゆうす湖のコピックのあれこれ情報ブログ

自分を大事に(活動休止について)

皆さんお久しぶりです。ここ一年ほど、コロナウイルスSars-Cov-2)の感染拡大で、なかなか思うように好きなことができない世の中になってしまいましたが、健康でお過ごしでしょうか。

 

前回の最終更新が2019年の9月ごろですので、2年近くは休眠していたことになるのですけど、いろいろあったというかなかったというか。ほぼ放置にもかかわらず、多くの人がわずかながらの記事を見に来ていただいていたということで、多少なり役に立てるところがあったのかなと、ひそかに喜んでおります。

 

今回、この記事は描く知識とは全く関係なく、かつ絵描きを「ただただ楽しむだけのもの、趣味」で考えられる人は読む必要の全くない記事、エッセイとなっております。そういうわけでそうでない方、暇な人以外は今すぐ回れ右してお帰りください。

 

 

実を言いますと、気持ちとしては2020年の開始前後から、実体としては2020年の10月から、正式に発表したのは2021年の初めごろから、絵描きの活動を休止しておりました。

 

理由としては、描きたい気持ちと自分の「こうあるべき」と思う状態とのズレが激しくなってしまい、描くことに対して全く気持ちが起きなくなってしまったためです。

 

自分を会社にたとえるなら、自分の中のプロデュース部門の担当が、制作部門に対して経営的側面からあれこれ言いすぎて、嫌気がさした制作部門が解散してしまった、みたいな状態だと思います。

 

展示だとかイベントだとかが主な活動だったので、自分の創作物を人前に出すわけですから、「面白いと思ってもらえるものを出さないといけないな」っていうプロデュース的視点と、「自分だったらこう描いたら面白いな」っていう創作視点のズレは数年前から感じていました。

 

そのズレは、自分とは実力がかなり上の人たちとひょんなことから知り合いになった時期くらいに始まり、すごい自分の心のエネルギーを奪って行ってまして、言語化はできてなかったんですけど「理由はわからないけどなんだか苦しいし、もう数年以内に描くの止まりそうだな」っていう予感が年々強まり、2020年の年を跨ぐか跨がないかくらいに「プツッ・・・」と何かが切れたような感覚に襲われ、それ以降はほんとにシャーペンもコピックも持つのが嫌になり、ぱったりと創作を止めていました。厳密には一度展示はしていますが、普段の絵とは全然モチーフの違うものでした。

 

人前に出すと「手に取ってもらえるかどうか」っていう結果が出てしまうので、どうしてもプロデュース的視点の「違うもの考えないとダメなんじゃないの?」っていう発言権が強くなってしまい、「でもこれが好き、こう描きたい」っていう押し返しできず萎縮してしまったように思います。創作視点が優位に立てるような経験をちゃんと積んであげられなかったのが今回の失敗かなと考えがまとまっています。

 

自分の得意なことでちゃんと立ちたい気持ちが強かったせいなのかなと思いますし、他に週5日でやってる仕事があって、その余った時間で取り組んでたのが創作で、なんとか時間やりくりして、どうしても作業する手が遅いのと、わからないことがあると資料に当たって調べて納得してからでないと次に進めないっていう形で、毎回毎回、一枚一枚にすごく力が入り込んでしまい、なんとかやってることが何かにつながってほしいっていう気持ちですごく焦っていた部分があって、ついには「お前の絵じゃだめだよ」っていう自分による責めに負けて「自分のじゃだめなのか」っていう穴にすっぽりはまり込んで抜け出せなくなって、、、負のスパイラルですよね。

 

良くツイッターなどで「絵に評価を求めるな」という意見が沸き起こっては消えてを繰り返しておりますが、僕の意見としては「絵に評価は必要」です。

 

自分の状態で考えると、自分の中の絵描き部分を、別の自分が叩き潰していたので、どうしても外的に絵描き部分に対して何か得られるエネルギーが無いと叩き潰しを押し返せなかったからです。

 

一般的に考えたら、もちろん外的な評価それだけのために描いてはいけないとは思いますけど、楽しむ以上のもの、描いて仕事をしようとか、自分の絵を手に取ってもらおうとするなら、人が喜ぶもの、つまり「人の評価」を得られるものが描けるかどうかが一つ指標にはなると思うし、それが得られるなら描こうっていう気持ちの燃料になるし、いいスパイラルが作られて創作も続いて行くんだろうなと思います。(ここは自分が楽しむだけでやっていた人や、自分の創作を容赦なく批評する自分がいない人には当てはまらない部分かと思います)

 

中には「自分が楽しむためだけにやってる創作」で人の評価が得られてしまうパターンの人が居て、そういう人が言う「人の評価は気にするな、求めるな」と言えば「なるほどそうか」となってしまいそうなんですが、それはそれでうまくいってしまった人のパターンなのかなという保留付きで考えておいた方がいいのかなと感じます。

 

基本的には「自分が創作を楽しむ」気持ちをちゃんと育ててあげるのが一番いいと思いますし、まず自分のために創作するのを優先してあげてほしいと思います。自分を批評する自分がいるのも良いですが、いい方向に回る程度を越すと続かなくなっちゃいますから。

 

言葉にして説明すると、こういう状態になってしまったんだろうと、ある程度まとまったので、ブログに挙げておけば、他の方の参考になる部分もあるかなと思い、一応記事というより散文的にまとめました。

 

自分のスタイルがアナログであり、一時創作でもあり、門戸が狭くて外的な評価を得づらいジャンルを選んでしまっているので、出版社や広告など、どう営業かけていいものかもわからない、かといって自分の絵だけでもどうにもならない、そういう行き詰りに突き当たっていまだに抜け出せないままです。「休止」と言いつついつ再開かもわからないので、ブログに関しては気持ちに余裕があってお役立ちしそうな記事が書けたら、またアップしようかと思います。

 

休止したことに対して友人に「(気持ち的に)さっぱりしている」とには言ったものの、数年かけて続けて育てたものを自分でおじゃんにしてしまった感じのショックはどうしても大きいものがありました。

 

またコロナ感染拡大もあって、絵以外に好きな山登りにもなかなか思うように行けずに気分転換もままならないということで、一年以上近く、鬱々とした気分が晴れない状態です。

 

他の人には絶対こんな風になってほしくないので、楽しんで描けている人は、是非そのまま楽しんで描いてほしいです。絵を描けるっていうのはほんとにすごいことなのです。大事に育ててあげてほしいです。

 

なにとぞ、「自分」を大事に。

 

ゆうす湖♨