個展『The Footprints vol.5』告知と私のコピックの褪色対策・考え方
お久しぶりです。ゆうす湖♨️です。
この一、二カ月コミックマーケットの準備やらなんやらバタバタしてまして、全然記事が更新できなく申し訳ないなというきもちです。
特に何か記事をアップできているわけではなかったのに、ブログを見にきてこうれていた人がいたこと、感謝します。
展示の告知
バタバタしていた理由の一つなのですが、じつは私、今月の9/2(月)から9/29(日)の間で、ジュンク堂書店三宮店さん(三宮センター街)にて、コピックイラストの展示販売をさせていただいています。
場所はセンター街側からエスカレーターを上がって、二階の南側の非常扉前の壁面書棚です。
店舗入り口・センター街のエスカレーター
これを上がって
正面の検索機を見ながら右に曲がる
こちら。
コピックのあれこれをお伝えしたいブログで、個人的な作品の展示の告知は控えておこうかと思ったのですが、自分でも人の描いた作品を見て刺激になったりすることもあったなと思い直し、ブログにも告知を書いておくことにしました。
アナログイラストは描いたそのものがあるっていう、デジタルには無い強みがあって、パソコンのディスプレイでは伝わらない、原画を見ないとわからないって言う部分があります。
そういうのが好きでずっと画材で描いているのですけど、自分のもそういう機会の一つになってもらえたらと思います。
追記 : 今日グッズをやっと出し切りまして、展示してる最新イラストまで収録した冊子と、クリアファイル追加してます。冊子は、なるべく原寸に近いように収録したので、細かいところも見ていただけます。
コピックの展示の対策
で、せっかくのブログなので、有益になるかわかりませんが、私がしているコピックイラストの展示における褪色・退色対策を書いておきます。
コピックは紫外線に当たると褪色しやすく何もしないで出しっ放しにしておくと変化してしまう色があります(注:全ての色で起きるわけではありません)
なので、展示に出す場合はそうならないように対策するのですが、主に、額・パネルに工夫をします。
展示の際に私がイラストを入れている額は、A4以上のサイズのものには、
大額の『かる!フレーム(https://www.amazon.co.jp/dp/B001U3GT0Q/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_R.iDDbAD94XE3)』
を使用、もしくは併用しています。
製品の特徴として、紫外線を90%カットできるそうです。
額の色は白か黒かシルバーです。
派生商品として
『かる!ウッド (https://item.rakuten.co.jp/gakubuti/10001072/ https://www.amazon.co.jp/dp/B003PE5MB0/ref=cm_sw_r_sms_tai_KqlDDbWS9GHST )』という木製の枠のものもあります。
このかるフレームの紫外線カットのシートはすごく薄いので、他の額を買って来て、ガラスパネルの内側に挟んでしのばせることができます (併用と言ったのはそういうことです。かるフレームはラインナップの色が少ないので、お気に入りの額を見つけて来て、パネルだけ入れて併用できるのです)。あとペラペラなので、枠を使わないつもりなら切り取って小さいパネルに入れることも可能です。
ガラスは全く紫外線を防げませんが、uvカットを謳っているものや、アクリルのパネルは多少なり防げるようです。
こちらのイラストには、アクリル純度99%と言われる『Face Five Frame(https://www.amazon.co.jp/dp/B001AQ09V8/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_6IgDDbESMEM1E)』
を使用しました。
今回初めて導入したので、どのくらい防御できるものなのかまだ未知数です。
また、既存の額(ガラスのもの)に、アクリルのシートを買って入れ替えるのも有効です。私がよく行くカワチ画材点でも、普通のアクリルのシートA4なら1000円もしないで買うことができます(2019/9現在)
私に限って言えば、毎回展示は直射日光が当たらない室内で行いますが、可能な限りはこのような紫外線を防ぐ対策をして展示をします。
また、原画は販売も行っているので、買ってもらった方に「コピックの特性と飾る際の注意点」を書いた紙をセットしています。
参考までに、自分がイラストにつけている説明書きはこちらです。
コピックの褪色実験
簡易でかるフレームを用いたコピックの褪色実験を行った写真があるので、一応伏しておきます。
今年の5/29にマルマンスケッチブックに、BV系統の全色を塗り、①〜③までの番号をふります。
①日の当たらない引き出しの中
②かるフレームに入れる
③直射日光にそのまま当てる
という具合です。
これをおよそ一週間やりました。
紙の日付の通り、色つけは2019/5/28、その日の夜に東向きの窓に外向きに向かって置き実験開始です。
5/29
②③ 上半分はフレームに挟んだだけ、下半分はUVカットのシートの下に入れています。
(すいません、引き出しの中の分の写真は撮り損ねていました)
5/30
②③
①
5/31
②③
①
6/1
②③
①
6/2
②③
①
6/3
②③
①
6/4
②③
①
申し訳ないのは、「実験開始前の3枚の様子」と、「2日目の①の写真」を失念していたことです。
比較がやや成り立たないので、あくまで参考程度と思ってください。
それでも数字の若い前半の色は2〜3日であっという間に色が変わったのに対し、数字後半の色は日数を重ねても変化していない色もあります。
引き出しに入れていたのはほとんど変化が見られないので、5/30の①とそれぞれを比較していってもらうと、どのくらい色変化が出たのかわかりやすいと思います。
太陽の光というのは結構強いので、参考にならない部分が多い極端なものなのですが、室内であっても影響は受けてしまい、UVカットを謳ったパネルでも100%褪色を防げるものではありません。しないよりはマシというレベルですが、しておいたほうがいいでしょう。
カワチ画材さんでコピックのサンプルイラストを一ヶ月ほど出してもらっているのを見ても、室内であるのに色の変化はおきます。
蛍光灯は紫外線を発しているので、やはり影響を受けてしまうのです。
僕がコピックイラストのみの展示を初めて行ったのは三宮センター街のガラス張りの市民ギャラリーだったのですが、かるフレームに入れていたのにもかかわらず一週間で色落ちしてしまいました。
この実験に関しては柚水流亜さんと言う方が僕よりも詳しく深く書かれた記事があるので、そちらを付しておきます。多分僕が時間をかけてもここまで詳しく書けないでしょう
「コピックの退色(色あせ)は防げるか?UVカットアクリル板・ガラス板の退色実験で最適な保護方法を調査してみた https://yuminarua.com/2019/06/17/copic-fadingcolor/ @yuminaruaより」
イラストを展示する機会が多い経験上、この対策でもやはり色褪せは起きるので、コピックイラストに関しては展示は若干不向きな部分がありますが、僕はそれでも好きな画材であるコピックを使ったイラストを描き続け、展示するでしょうし、そうするつもりです。
コピックにおける褪色の考え方
あくまで褪色することの捉え方であって、褪色を防ぐ方法ではありません。
褪色をポジティブに捉える、というものです。
この絵は2015年に描いたもので、僕のお気に入りです。展示でも毎回出したりするぐらいなので、やはり色も落ちました。
スキャンしてネットにアップするように色を調整していますが、ほぼ描いた当時の色です。
現在の色がどうなっているかというと、写メしてみます。
並べてみると。。。
スキャン加工と写メで、多少の誤差があることは考慮に入れて、今は2019年ですが、4年のうち年二回、2週間から1ヶ月間の展示でこのように色が変化しました。
特にジーパン。これを描く前の時点で薄い色が褪色しやすいと知識が付いていた頃で、どうせ色落ちするならと考えて描いたのがこの一枚でした。
ジーパンは、穿けば穿くほど色落ちして味が出てくるズボン何ですが、コピックなら同じことを起こせるのです。
つまり
展示すればするほど味のあるジーパンがリアルタイムで表現できる
ということです。
このイラストは、犬連れて歩いて旅してる少年のイラストだったので、ジーパンの色が落ちても全く自然でした。コピックの弱点を逆に活かしたのです。
色が褪色するというのは、裏を返せば色が変化するということができます。
褪色するというのはコピックの弱点として捉えられがちですが、こう考えると新たな表現を作り出すことができます。
コピックイラストを展示することに後ろ向きなってしまっているひと、すごく勿体無いです。
ぜひ機会あれば展示に出して、人の目に触れさせてみてください。描いた本人も含め、作品と、コピックの表現に新たな一面を発見できると思います。
最後に
人に見てもらうための絵を描いていた経験上、「イラストは人に見てもらって初めて完成」と考えていまして、特にアナログイラストは一点ものとして展示できるって言う、デジタルイラストには無い強みがあります。
例えば自然に咲いている花が、時が経てば枯れてしまうように、コピックの色が描いてすぐが一番綺麗で時が経てば落ちてしまうのであれば、一番綺麗な時に人に見てもらうのが一番いい、とも言えます。
もちろん展示していない間は日の当たらない暗所や、ファイリングして直しておく必要があるのは間違いありません。
色落ちする弱点も捉え直して、機会があれば思い切って展示してみてください。
・UVカット性能のあるパネル、アクリルのパネルを使う
・色落ちする弱点をポジティブに捉え直す
展示するうえで、僕から言えるアドバイスはこの二つです。
お読みいただきありがとうございました😊