コピックのすすめ

コピック絵描き・ゆうす湖のコピックのあれこれ情報ブログ

コピック・ポップイラストメイキング・「一年生になったら」

おはようございます、こんにちわ、こんばんわ、

ゆうす湖です。

 

4月の第一週に、季節ごとに描かせていただいているカワチ画材三宮店さんのコピックポップイラストを更新しました。

 

お店の方から「入学したっていうお祝いの感じ」をリクエストいただいていたので、入学したてのランドセルを背負った一年生の男の子を描かせていただきました。

 

f:id:yousko:20190414192500j:image

 

今回のブログでは、使った色と肌、髪の毛、服と言った大きな部分の塗りに焦点を当ててメイキング動画をつけながら、解説してみようと思います。

 

 

 

 

色紹介

まず使用色の紹介から。

 

 

f:id:yousko:20190410190530j:image

0 カラーレスブレンダー

YR0000 (肌で最も明るい色)

YR000 (2段目の色)

YR20 (影)

R11(頬の色)

RV32(影の差し色)

 

 

髪の毛

f:id:yousko:20190410190548j:image

0カラーレスブレンダー

YR30(ハイライト その1)

E40(ハイライト その2)

T2 (下色) 

T4 (2段目)

T6 (影色)

 

 

ランドセル

f:id:yousko:20190410190628j:image

 

E30 (ランドセルのストラップ・クッション部分下地)

E40 (ランドセルのストラップ・クッション部分)

E42 (ランドセルのストラップ・クッション部分影色)

YR30 (ハイライト)

E53 (下色)

E55 (中間)

E57 (影1)

E59 (写真に撮り忘れておりました、影2)

 

金具

f:id:yousko:20190410190709j:image

C00 (全体的に塗る下色・ハイライト)

C1 (基本的な色)

C3 (段目の色)

C5 (影・最暗部)

 

 

服 (制作途中で写メ取り忘れたため、コピックのみです)

f:id:yousko:20190410190642j:image

YR30 (ハイライト)

B93 (一番明るい色)

B95 (中間色)

B97 (影色1)

B99 (影色2)

 

 

f:id:yousko:20190410190759j:image

YR30 (瞳上部ハイライト)

E30 (瞳下部下色)

BG70 (白目下色)

BV31 (白目影色)

BV20 (白目影の縁色)

BV23 (瞳ライン1)

BV25 (瞳ライン2)

 

 

背景

f:id:yousko:20190410190812j:image

R11 (桜)

B12 (空)

 

小物 (ピアニカと定規)

f:id:yousko:20190420144203j:image

B52 (ピアニカ)

T4 (黒鍵)

C3 (ホース)

E31 (定規) 

E55 (定規の溝)

 

小物 (ノート)

f:id:yousko:20190420144640j:image

R0000

R35

R39

 

 あと写真にはないですが

入学式の看板

E40

R21

BV31

etc...

 

色鉛筆ケース

Y35

BV25

etc...

 

 

 

コピックの色の入れ方・グラデーションの基本

 

解説を始める前に、コピックでの色の入れ方の順番を解説させていただきます。

 

コピックは塗り重ねてグラデーションを作ることができるのですが、

 

そのグラデーションの仕上がりを「滑らかにする」「階段状にする」かの大まかに2通りあります。

 

この塗り分けは、表現したいものに合わせて使い分けすることで、リアリティのあるものを描くことができます。

 

まずは「滑らかにする方法」。動画はリンク先にて、早回しになっています。

 滑らかにする方法を使って表現しやすいものの代表は「肌」。 肌はパキッとした立体ではなくて、曲がった面があったりで、こういうものを表現するときは、滑らかなグラデーションが有効です。

 

次に「階段状にする」方法

 階段状にする場合は、なるべく乾いてから次の色を重ねると、先に塗った色との境界がはっきりした仕上がりになります。動画では尺の関係上、下色を塗ってすぐに次の色を重ねていますが、下色が完全に乾いてから次の色を入れると、もっとはっきりとした境界線のあるグラデーションにできます。

この表現が有効なのは、立方体のように、面が角ばっていて影がはっきり出るようなものに有効な表現方法になります。

 

 

今回はどちらかと言えば滑らかな面で構成されたパーツが多いので、前者の滑らかにする」方法で大部分を塗っていきます。

 

 

 

メイキング解説

具体的な塗り方の解説に入っていきます

 

  •  肌色

 

 

 肌は主に局面で出来ています。なので出来るだけ仕上がりが滑らかになる方がそれらしくなります。方法としては「滑らかにする」塗り方が有効と言えるでしょう。

 

動画では省略されていますが0番カラーレスブレンダーを先に塗っておくのは、下色として一番最初に塗る色を滑らかになじませるための方法です。

 

0番を塗って下地を作る

R11をほほの赤みとしてぬり、色のフチを0番でぼかす

YR0000で下色を入れる。この際光でテカっているいると思われるほっぺ、まぶたのでっぱり、鼻の頭あたりは塗り残すように注意。

YR000で髪の下、鼻の下などの影を塗る。

YR20で影に色を足す。

RV32を影のさし色として塗り、YR000でぼかしてなじませる。

 

という流れで着色しています。

 

ツイートでちょっと触れましたが、実はこの塗り方はこちらの本

SSイラストメイキングブック~SS illust making book~コピック vol.01

https://www.amazon.co.jp/SS%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%96%E3%83%83%E3%82%AF-SS-illust-making-book-%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%83%E3%82%AF-vol-01/dp/4835452151/ref=pd_sbs_14_8?_encoding=UTF8&pd_rd_i=4835452151&pd_rd_r=4933d266-6900-11e9-bc91-415ad1332ee9&pd_rd_w=Z1TKk&pd_rd_wg=iS3Tl&pf_rd_p=ad2ea29d-ea11-483c-9db2-6b5875bb9b73&pf_rd_r=745WSNCNHSZ6KC7N7SRQ&psc=1&refRID=745WSNCNHSZ6KC7N7SRQ

 

に載っている、りーりんさんの塗り方を参考にさせていただいた塗り方です。ほほの色の入れ方や、使用色は少々違いますが、影の色の入れ方はとてもいい仕上がりになりますので、よかったらこちらの本もチェックしてみてくださいね。

 

 

  •  髪の毛

 

髪の毛は細い髪の繊維が何本も束になっているもので、それを表現するような塗り方をするとそれっぽくなると思います。

 

具体的には、

 

髪の毛の流れをイメージして、その流れに沿うようにブラシを動かす

 

ということです。

 

また、毛束はあつまると滑らかな面を形成しますが、ブラシの抜けがぼんやりせずにはっきり残っているほうが、毛の流れが分かりやすく表現できると思いますので、下地が乾き気味の時の方がベターな気がします。

 

 

 

 

 髪の毛を塗るときまず僕は髪の毛のハイライト、つまり髪の毛が一番光ってテカっているところの色を先に入れます。

 

今回そのハイライト部分に入れる色としてYR30とE40を使っています。その理由は、一番部分はもっとも光の色を反射するけど、その点から離れると反射する光の量も色味も変わるという考え方からです。

 

まず下地として0番を入れる

次にハイライト(YR30・E40)を入れる

最も薄い色(T2)を入れる。髪の毛の流れに沿ってブラシを動かすことを忘れずに。

次の色(T4)を入れる。この時、なるべく先に入れた色(T2)の部分を一部残すようにすること。そうすることで、明るいところからだんだんと暗い色になっていくグラデーションを作ることができます。

最後に影色(T6)を入れる。このとき、髪の毛の束は厚みがあるので、その厚みが感じられるような影をちらっと入れておくとよいでしょう。おでこにかかっている髪の毛に上から下まですっと入れた影がそれです。

 

 

 

こちらは先に示した、境界の仕上がりの違いメイキングと同じ色組で入れております。 ただ一つ、唯一の違いは、下色(ハイライト)のYR30を、「光が当たると想定した部分だけ入れている点」です。

 

下色を全体的に塗る動作は、紙をアルコールで湿らせて二色目以降の色馴染みを良くする意味で行っているので、今回のイラストでは0番を先に入れているのでその動作に代えています。手数は0番を塗ると多くなるので、この辺は使う色と仕上がりとの相談になります。

 

 

 

0番を下地として塗る

YR30を光が当たると考えられる部分にのみ塗り広げる

B93を全体の下地として塗る

B95からB97を光から影までのグラデーションとして、必要分を広げる

B99を影として入れる

以降繰り返しとなります

 

 

  •  ランドセル

 

一般的にランドセルは、男の子は黒色なんですけど(という常識はもう古いですかね)、最近はいろんな色やデザインが出ているので、ブラウンでも良いか~と思い、今回はこの色で作成しました。

 

まずは金具から

 金具は以前紹介させていただきました、金属を描くときの色組を利用しています。

光の当たらない部分なので、もっと暗い色にしてもいいのですが、イラストで金属とわかる色味であるほうがふさわしいかと思い、この色味で行きました。

 

 そのかわり、いつもならハイライトは紙色を使うのですが、今回はC00で少々色を足して「暗い中のハイライト」としました。

 

C00(ハイライト)を全体に入れる

C1(下色)をハイライトを残して入れる

C3で金属らしい縦の線を入れる。

C5で縦の線の強調と影を入れる

 

 

ランドセルの本体

 

 ランドセルの本体は「革の箱」なので、光の当たる面と当たらない面がはっきりしています。それぞれの面がくっついている角の部分は色を入れないほうがリアルな感じになりますので、それぞれ「各面ごとに塗る」というのがポイントになってきます。

 まずは局面を有するランドセルのカバー部分から始めます。

 

下地として0番を敷き詰めます。

 ハイライトとしてYR30を入れます

ハイライト部分を残しつつ、E53を入れていきます。

E53を塗った部分を残しつつをE55、E55をいれた部分を残しつつE57をいれていき、ハイライト部分からのグラデーションを作る。

 

E57以降の手順は、収録中に容量不測の関係で録画ストップしてしまったため、次の動画に入ってしまっているので、その点だけご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 側面も、先ほどと同じ手順で色を入れます。今度はハイライトの位置が違うのでその点だけ注意が必要です。

 

底面は今度は今まで塗った面の中で影に入る部分にあたり、一番暗めにしないといけない面です。E59まで使ってなるべく濃くしましょう

 

 0番を敷き詰める

影であるため、ハイライトとE53は飛ばしていきなりE55を入れる。

 E57で、最も光の当たる面から画面右に向かって筆を払うように入れていく

E59で最も濃い影を入れる。影の面だからと言って、全体にE59は入れないのがポイントです。いわゆる「照り返し」と呼ばれる、反射した光が影の部分に当たって、暗い中でも明暗が存在するためです。

 

光と色の関係は、色を付けるうえですごく重要で、これを説明してくれる本があるのでご参考までに紹介させていただきますね。 これはコピックに限った話ではなくて、写実的に描くうえでもデフォルメして描くうえでも参考になることなので、是非一読いただければと思います。

 

「カラー&ライト ~リアリズムのための色彩と光の描き方~」

https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%BC-%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0%E3%81%AE%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E8%89%B2%E5%BD%A9%E3%81%A8%E5%85%89%E3%81%AE%E6%8F%8F%E3%81%8D%E6%96%B9-%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AC%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%BC-James-Gurney/dp/4862461530/ref=pd_sbs_14_1/355-7805304-7985466?_encoding=UTF8&pd_rd_i=4862461530&pd_rd_r=e15e5c1b-6a7b-11e9-8006-c7d74df2f01b&pd_rd_w=QLuYW&pd_rd_wg=I4q1i&pf_rd_p=ad2ea29d-ea11-483c-9db2-6b5875bb9b73&pf_rd_r=M6G14VWWNE4NYDQ5B6W7&psc=1&refRID=M6G14VWWNE4NYDQ5B6W7

 

 

動画に含まれていない部分の塗りは、特筆すべきテクニック等ないため割愛させていただきました。

 

終わりに

 

 以上で解説は終わりになります。

完成したイラストはカワチ画材三宮店(東急ハンズ三宮店5F)の店頭に原画がございますので、お近くの方は実際の色をご覧いただければなと思います。

Pixivにも大きいサイズで完成形がごらんいただけますのでよろしければどうぞ。

https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=74144193

 

 

この中でわかりづらい部分や、気になる部分があればコメント等で質問いただければ、可能な限りお答えさせていただこうと思いますので、お気軽にどうぞ!

 

 

では!